ハーブティーとしてその歴史も長く、ヨーロッパでは、「安産のためのお茶」といわれるほど、妊婦さんのハーブティーとして好まれているラズベリーリーフティーは、すっきりとした癖のない味で飲みやすいハーブティーです。日本でもハーブティーを用意している産婦人科も多く、出産を控えた妊婦さんや出産を終えた授乳中のお母さんのリラックスタイムに飲用されています。

■母体の回復をしてくれるハーブティー
ラズベリーの葉を乾燥させているハーブティーとして楽しむラズベリーリーフは、バラ科キイチゴ属で学名は、「Rubus idaeus 」和名「ヨーロッパキイチゴ」として知られています。小さい粒の赤い実がおいしそうなラズベリーは果実として楽しみ、ハーブティーには、葉っぱを用います。ラズベリーリーフは、ノンカフェインで刺激も少なく、ビタミンやカルシウム・マグネシウム・亜鉛などのミネラルも含みますので、メディカルハーブとして母体の体力回復に役立ち、子宮の収縮や骨盤の周囲の筋肉の働きを調整する作用があります。出産後の母体を回復へと導く心強い味方です。

■赤ちゃんにも影響のあるハーブ
ハーブティーは、コーヒーや紅茶などのカフェインがないものと思いがちですが、ハーブによっては多くのカフェインを含むものもあります。その点、ラズベリーリーフは、ノンカフェインですので、赤ちゃんへの刺激もなく安心して飲めるハーブティーです。また、母乳のもととなる血液をつくるミネラルや鉄分を含んでいますので、母乳の分泌も良くなり、骨盤や子宮にも良い影響を与えることから、今は世界中の妊婦さんだけでなく多くの授乳中のお母さんにも服用されています。
授乳中にハーブを飲用するということは、母体を通して赤ちゃんにも影響がありますので、ハーブティーは、ノンカフェインであることはもちろん、その成分や作用をしっかり確認するようにしましょう。

■おっぱいとつながる子宮
子宮収縮効果により、母乳の出が良くなると、赤ちゃんも喜びおっぱいをしっかり飲めるようになります。赤ちゃんがおっぱいを飲むと、その刺激で子宮が収縮し脳の下垂体後葉から、「オキシトシン」というホルモンがでてきます。このオキシトシンは、妊娠で膨らんだ子宮をもと通りにする役割と母乳を出す働きがありますので、授乳をすることで母体の回復だけでなく母乳を必要とする赤ちゃんにも良い影響をあたえます。また、オキシトシンは、別名「幸せホルモン」という名がある通り、心の安らぎを導き母性を高める効果もありますので、赤ちゃんとの信頼関係を気づく大切な時期にオキシトシンは大活躍してくれます。

■ラズベリーの葉は、ほかにも!
ラズベリーリーフは、煎剤としてハーブティーを楽しむだけでなく、浸剤としても用いられています。ラズベリーリーフの成分には、収れん作用のあるタンニンが多く含まれていますので、この作用を活用して、口内洗浄薬として口内炎や咽頭炎にも使用されています。また、皮膚や粘膜の損傷にも収れん効果があり外傷や結膜炎、下痢や赤痢などにも古くから使用されてきました。葉をハーブティーに用い身体を整える方法は、ヨーロッパで長い間の経験に基づいた活用法です。
また、ラズベリーリーフティーは、骨盤の周囲の筋肉を調整し子宮の働きの調整をおこないますので、女性特有の不快な症状の緩和にも役立ちます。出産後に生理が始まる時期は人によりさまざまですが、生理前症候群(PMS)や生理痛がある場合は腹痛などの苦痛を和らげてくれる作用があります。女性の大きな味方のハーブティーです。

■ハーブティーを安全に飲むために
ラズベリーリーフティーは、授乳中や妊娠後期は、積極的に飲みたいハーブティーですが、ハーブティーは、収穫時期や保存状態により、品質も大きく変わってきますので、できれば多くを一度に購入するのではなく、その都度必要な分量を買うようにしましょう。また、ハーブティーを購入する場合は、信頼のおけるお店で、ハーブの「学名」をしっかり見て購入するようにしましょう。食用でなくクラフト用のハーブもありますので注意してください。
ハーブは、薬ではありませんが、有効な成分を含んでいるため、ノンカフェインといえども飲みすぎはよくありません。1日2杯程度を目安に楽しむようにしましょう。

■ラズベリーリーフティー 飲用のベストな時期
母体の回復に役立つラズベリーリーフを飲み始める時期は、妊娠後期がベストです。ラズベリーリーフには、子宮を収縮させて子宮の筋肉に働きかける作用があることから、出産までの準備を整える妊娠後期から飲み始めて、産後の体の回復を必要とする出産後の飲用も続けることが良いでしょう。出産が近づいた2か月前を目安に37週目の出産直前には1日2杯、本格的に取り入れることが日課になるといいですね。
注意点としては、ラズベリーリーフティーには、子宮を収縮する働きがあるので、妊娠初期の飲用は控えておきましょう。妊娠初期の胎児や子宮の状態が安定していない時期のハーブティーの飲用は禁忌です。
また、身体は、個々に体質の違いがあり妊娠中は特に身体が敏感になりますので、いつもと体調も変わる場合もあります。ハーブティーを飲用することをかかりつけの医師に相談しておくようにしましょう。

■おいしい飲み方
ラズベリーリーフティーは、一般的なハーブティーと同様の飲み方ですので、スプーン2~3杯に対して150mlの熱湯をそそいでふたをして3分~5分待ちます。抽出時間はお好みで、濃い目が好きな人は抽出時間を長めにしてみてください。おいしい飲み方は、購入時のパッケージにも目安として書いていますが、おおよそティースプーンだと大盛2杯でカップ1杯分になります。出産前後は赤ちゃんの世話や母体の回復までさまざまな環境の変化に、何かと気持ちが落ち着かなかったりしますが、ぜひラズベリーリーフティーを飲んでそのひとときを楽しんでみてください。飲むときは、ゆったりとした気持ちになれる時間をみつけて、ラズベリーリーフの香りや注ぐ音、色がついた眺めを楽しみ五感を使ってリラックスした気分で飲んでみてください。そのようにして1日2~3杯を毎日飲むことでより良い効果が期待できます。

母体のさまざまな身体の変化に優しく作用するラズベリーリーフティーは、出産に備えて変化していった母体を元に戻していく応援をしてくれる心強いハーブです。ぜひ一度試してみてはいかかでしょうか。