おっぱいを飲んでいる赤ちゃんを見つめていると、ふと赤ちゃんがおっぱいを話してお母さんを見ることがあります。お母さんのぬくもりを感じているときかもしれません。にっこり笑ってほほえむことで赤ちゃんはまた安心しておっぱいを飲み続けます。

おっぱいを飲むことに、赤ちゃんなりに慣れてきた証拠でもあり、このようなひとときの積み重ねで子どもは育っていきます。

信頼できる人がいることの大切さ

産まれてまもなく、お母さんに事情があってミルクで育つ赤ちゃんもいれば、お母さんの母乳で大きくなる赤ちゃん、病院でしばらく過ごすことになる赤ちゃん、産まれた時点でそれぞれ子どもの環境は大きく違いますね。母乳で育てていても、お母さんが赤ちゃんのリズムを全く考えずに、自分本位な生活をしていては、赤ちゃんにとっては多大なストレスとなります。

ですが、自分が何かを訴えた時に誰かが満たしてくれることが続いたら、赤ちゃんなりにその人を頼りにします。おしめを替えてくれるお父さん、ごはんを食べさせてくれる保育士、遊んでくれるお兄ちゃんなど、身近でコミュニケーションをとっている人はお母さんだけとは限りません。近くに存在する人が子どもの心を満たしてあげる人であったら、子どもは心を安定させてその人との信頼関係を育んでいきます。

愛を育む子育て

赤ちゃんのうちは、何をしてもかわいい時期ですが、成長していく過程で、子どもが自立するための芽生えの時期がたくさんあります。いつもと同じ場所や順番でないと不機嫌になったり、いつもの習慣がなくなったら怒ったりとこれまで何も言わなかったのにと頭を悩ましてしまうかもしれませんが、子どもが秩序を身につけようとして成長する課程だと親がのんびり構えているのと、一緒に怒ったりするのでは親子のストレス度合も変わってきます。

いつもにこだわる時期は、子どもが順番や規則性を身につけるためにも大切な段階です。例えばいつも石けんできれいに手を洗っていたのに、その日だけあわてて大人が洗ってしまうなどして、何かの拍子に怒りだしたりします。ですが融通が利かないなと大人も怒るのではなく、そうゆう時期だということで理解して、子どもの関心やいつもの習慣を一生懸命に守ろうとしている心を分かってあげるようにしましょう。

どうしても急がないといけない場合は、それを伝えて、「今日は石けんなしだよ、ごめんね」と一言話すのと話さないのでは大違いです。大人が自分の心を分かってくれているということだけで、子どもは天使のように大人の言ったことを案外快く受け入れてくれるものです。

ただ泣かせないようにしていないですか

泣くことで訴える赤ちゃんを見て、抱っこしたりオムツを替えたりおっぱいをあげたりと、ただ、泣かせないように思い当たることを考えてばかりで赤ちゃんの表情を見て行動しているでしょうか。赤ちゃんの心をしっかり読み取って気持ちを汲み取ることを忘れていませんか。

赤ちゃんに良かれと思いさまざまなことをしていても、赤ちゃんの表情を見ながらゆったりとした気持ちで赤ちゃんに向かっていなければ、赤ちゃんは何かのサインを送ってきます。例えばいつまでも、一人遊びができなかったり、いつも不機嫌だったりと心地良くない気持ちを伝えています。

たっぷりと愛情をかけているつもりでも、子どもが要求していることと違うことを大人がしていれば、赤ちゃんの成長につながりません。赤ちゃんは、泣いて伝えることも一つの仕事です。泣けばお母さんが近くにきてくれるということを通じて少しずつ自分の欲求を伝えていきますので、お母さんが先回りしてもう、おっぱいの時間にしたいから、今、オムツを見ておきたいからという理由で、赤ちゃんが寝ていたり機嫌よく遊んでいてもそれを中断したりはしていないでしょうか。

しっかり子育ての知識を持つお母さんほど、先回りして赤ちゃんを育ててしまうことがあります。子どもの行動を先回りして予測することで、先にレールを作ってしまったり、人に相談したりせずに自分のやり方に固執してしまう場合もあります。

子育てはさまざまな方法がありますが、子どもの自立を親が妨げてしまうのは簡単です。子どもが自分で考えて行動しないように親が先に決めてしまうことです。子どもは、自分でいろんなことに挑戦をしてみたいものです。子育ては、子どもが大人になるまで、自分の心で考えて育っていくのを、手助けさせていただきますというスタンスであれば、比較的うまくいくのではないかと思います。

子どもによって個性はさまざま

子育ては、本当の意味での教科書はありません。生まれ持ったDNAによっても個性はありますし、同じ環境と思われる兄弟でも、子どもにとったらお兄さんがいるのと弟がいるのとでは、心の持ち方にも影響します。これが正解ということはないので、さまざまな育児書があり考え方があると言えます。

ですが、子どもをじっくりと見て子どもの話を聞いていれば、今どんなことに興味があるのか、何をしたいのかなどが見えてきます。乳児期を過ぎて幼児期になったら、危険なことだけでなく、人に迷惑がかかることや、きまりなどきっちりと伝えていく必要がありますが、しつけをする時もこうだからこうという決まりはありません。子どもの心に響いているかどうかが大切ですので、子どもにあった育児をおこなっていきましょう。

子育ては大人の都合で動いてしまうと、つまずくことが多いものです。早く早くという言葉は、子どもを委縮させていまいますし、大人が暴力的だと子どもも同じようになってしまいます。また、子どもは親の鏡だと模範的な親であろうとしても、子どもにとってはただ窮屈だけな場合もあります。子どもに良かれと思っても結局は悪影響な場合もあります。

ですが、親が一生懸命に最善を尽くして子育てをしている姿は子どもは見ています。親が自分本位で生きてしまったら子どもも同じように他人を思いやる気持ちが育ちにくいかもしれません。

赤ちゃんが大人になるまで約20年。赤ちゃんが大人になった時に、自分を信じることができると思えるような育児を目指して、かけがえのない母乳育児を楽しみましょう。